ガンダムにわかが『機動戦士Gundam GQuuuuuuX』を観に行った際の致命的な誤解

注意以下の文章には今回の映画や、過去のガンダムシリーズのネタバレやネタを察せる要素が含まれています。ご注意ください)

前置き

 私はガンダムを大して知らない。
 全く知らないわけではないが、真剣に観たことがないというのが正しい。ロボットに乗った戦士が派手に戦いながら戦争や人間ドラマをやっていくジャンルくらいの認識で、たまにテレビをつけ時にやっていたら観るくらいのふわっふわのライト勢だ。たくさんタイトルがあるその中でも『SEED』『SEED DESTINY』と『00』と『鉄血のオルフェンズ』は割とちゃんと観た気がする。なお、推しはそれぞれナタル、ステラとミーア、ニール、三日月だったので私の感想はイメージしてほしい
 しかしそのくらいだ。粒子がどうとかシステムがどうとか機体がどうとかについては難しくて全く理解ができなかった。ザクの頭が丸くて可愛いくらいしか知らない。
 勿論、初代ガンダムについても上澄みを知っているとすら言えないほど知らない。幸い、弟が昔初代ガンダムを元にしたギャグマンガ『機動戦士ガンダムさん』を持っていたのでそこで「主人公はアムロ、有名な敵は赤いザクに乗ったシャア、そのシャアに殺されたガルマくん」程度の知識はある。というかそれが全てだ。知ってるなど行ったらファンに刺されても文句は言えないほど知らない。
 しかし今回公開された映画『機動戦士ガンダムGQuuuuuuX(以下ガンダムGQX)』を観に行った人は口を揃えてこう言うのだ。
「これはネタバレを踏む前に観に行くべきである」「緑のおじさん」「ガンダムでこれをするとは思わなかった」「ガンダムに詳しくなくても面白かった」
 なるほど。主人公の女の子が丸っこくて可愛いのでそもそも興味はあったが、映画どころかガンダムのネタすらろくに知らないが、そう言われては観ないわけにもいくまい。

 中央三人がメインキャラクターらしい。主人公の女の子が丸っこくてやはり可愛い。おまんじゅうマスコットなんかになってもデザインこのままで大丈夫そうな丸っこさ。帽子がある分、ハロの方がシルエットがあるまである。可愛い。

映画本編を観ていた時の所感

前半パートというか誤解パート

 映画が始まった時、最初にナレーションが入った。しかしガンダムをよくわかっていないからか、私は全くついていけなかった。
 どうやら地球人と地球から移住した後天的宇宙人がおり、何かいろいろあった結果戦争になっているらしい。何かいろいろの部分も説明されていたがよくわからなかったが、まあ何かいろいろあったのだろう。多分状況説明なので、戦争しているということだけわかれば大丈夫だ。
 最初からよくわからなかったことで不安があったが、ザクの登場でそれも少し和らいだ。ザクは知ってる。リーダー格が赤いザクだった。赤いザクも知っている。シャアリスペクトだろうか? と思っていたが、どうやら中に乗っているのはシャアその人らしい。初代の続編という立ち位置なのだろうか? だとしたら、この初代おさらいパートは初代を全く知らない私としてはとても助かる。
 何をしているかはわからないが探索をしているらしいシャアは「手柄は逃さない」的な決意表明をすると破壊行動を始める。これに関して上官らしき人が「少佐はお若いからな」と言っていたが、お若いからなで済むだろうか。佐官なんでしょこの人?
 そうしている内に、シャアは落ちているガンダムを見付けたかと思うと軽やかに乗り込んだ。ガンダムは相手側の最新兵器らしく、シャアは初見の様子であれこれ確認して。

シャア「立ってくれよ……!」

 急にチュートリアルを始めた。敵地ではなかったのだろうか?
 戦闘になったが、シャアはそのまま操作確認をしながら戦い始めた。二足歩行が可能かどうかすらさっきまでわからなかったようなチュートリアルで命を張っている。ライブ感と出たとこ勝負で命を張っている。佐官だよなこの人?
 輝くセンスで勝利して、敵の艦隊も乗ってる人を殲滅することにより持ち帰ったことで、ガンダムは正式にシャアの物になった。

 はー、そうなんだ。シャアってガンダム乗るんだ
 赤いザクのイメージしかなかったが、考えてみたら当然である。これは機動戦士ガンダムなのだからメインキャラクターがガンダムに乗るのは道理だ。ましてやこの話におけるガンダムはとんでもない威力の兵器らしい。そりゃあシャアくらい有名な敵ならばガンダムに乗って然るべきだ。なるほどね。
 それからシャアはノリノリでガンダムを乗り回し、睫毛バシバシでお色気要素を何故か一身に背負った絵柄の友達を作り、主人公もかくやの活躍をしていく。
 有名な敵だけあり物凄く有能なのだろうが、いちいち言動が面白い。色々と勘でゴリ押すのも面白いし、白いガンダムに「目立ちすぎる」と苦言を呈した後で赤く染めたガンダムを乗り回すのも面白い。いや、色に関しては識別カラーみたいなことも言っていたし、恐らく陣形を取る時とかの目印とかそんな理由あってのことなのだろうが、赤いガンダムに乗る人が白いガンダムに文句を言うものではないよ。
 なんだろう。ガルマくんを殺したことは何となく知っていたし、シャアってもっと目的のために冷徹なこともやるし周りは手駒みたいなイメージがあったのだが。映画を観ている感じだとライブ感で生きているし、友達には「次の敵は上層部一族」みたいなことノーガードで喋ってるし、思った以上に面白い御仁かもしれない。

 ところで、いつアムロと会うんだろう。初代を知らない人向けのおさらい総集編だからカットされてしまったのだろうか。シャアとアムロって宿命の敵というかライバル関係みたいな感じだと勝手に思っていたけれど、実際はアムロにとって強大な敵くらいのポジションだったのかもしれない。

 そうしてなんやかんやしている内に、結局劇中でアムロとのシーンがないままシャアは不思議体験と共に行方不明になった。
 へー、シャアってこうやって退場したんだ。こういう敵って物語終盤に主人公が撃破するイメージあったけど、決着がつかないまま勝ち逃げされたんだなあ。これはシャアの視点だからこのパートはここまでらしいが、初代のアムロ視点だとこの辺とかこの後どうなってるんだろう

後半パートというか増える誤解パート

 時は五年後。結局戦争は、シャア側の優勢で和睦したようだ。主人公はアムロなのに?

 主人公が色々と考えたり巻き込まれたりするのを見守りつつ考える。流石におかしい。主人公であるアムロがシャアと決着をつけられないのはまだしも主人公勢力が負けたまま物語が幕を閉じるだろうか? 前半パートを観ている範囲だと、シャアが無双していて主人公勢力は負けっ放しではなかろうか? ええんかそれ? お話にならな過ぎる、いいわけがない。
 つまり、初代は未来編があるんだろうな。アムロが何歳かは知らないが、ティーンだとすれば十年後だとしてもまあ主人公の年齢としても通らないことはない。何かしらあってまた戦争して、成長したアムロがエース張ってたら向こうにシャアが戻ってきて対決するみたいな感じなんだろう。映画は初代の時系列の空白期間の話なんだな。なるほどわかった。

 わかったので映画に集中できる。物語は主人公のアマテ(マチュ)と緑のおじさんを軸に進んでいく。
 シャアの友達は、シャアが消えた後もシャアを探しつつシャアの面白要素を継承した面白おじさんになっていた。前半パートではもう少し真面目そうというか、不器用そうというか、いい人感がにじみ出ている苦労人っぽさがあったが、今はもう見る影なく、お茶目に新兵を振り回す人になってしまった。シャアが行方不明になってからシャアのことを考えてシャアの影を追い続けたせいかもしれない。
 アマテは前半パートに尺を取られてしまったせいか、キャラ説明と戦闘で終わってしまった。しかし彼女は考えるより行動派であり、戦闘センスに満ち溢れていたので彼女を見るのはめちゃくちゃ面白かった。特に初戦闘の際など、理不尽とそれに傷付けられた人を目の当たりにして戦う決意をした「義によって助太刀いたす」系女子である。これはミズブシドー。
 一般人であり、細かい戦法や操作方法を知らないため全てを動体視力と反射神経と白兵戦で何とかしているのも面白かった。才能と運動センスだけで勝たねばならないアマテの戦いを見守るのは手に汗握った。これからどういうバトルスタイルになっていくのか非常に楽しみである。アマテが同期して動かすガンダムの挙動が女性的なのも面白かった。

 しかしメインキャラと思しき三人のうち、アマテ以外の二人についてはほぼ全くわからなかった。メインキャラ三人よりも緑のおじさんについての方が情報が多い気がする。ええんかそれで。まあ三人についてはアニメ本編でってことなのかもしれない。面白かったし放送されたら観たいな。

映画視聴後に知った驚きの事実と疑問

 え⁉ あの初代パートはIFルート⁉
 シャアって別にガンダムに乗らないの⁉
 あっじゃあ初代に十年後編とかはない感じか! なるほどね!
 いやあ、危ない危ない。危うく、とんでもない誤解を抱えたままでいるところだった。先に観ていた友人が説明してくれなかったらこの認識のままでいるところだった。ガンダムの知識がなくても確かに面白かったが、ガンダムの知識がないと誤解を招いてしまう映画だった。

 ……あれ。ということは初代のシャアって、段違いに性能が低い機体であるザクでガンダムに立ち塞がってたの? とんでもなく強くない?